音感を育てる

絶対音感と相対音感について

音感には、大きく分けで二種類あります。一つが“相対音感”と呼ばれ、何歳になっても習得可能な音感で、もう一つは“絶対音感”と呼ばれる、トレーニング開始時期にタイムリミットがある音感。

 

日本ではこの“絶対”という言葉のニュアンスから、やたら超人的な例ばかりがメディアで取りざたされ、どうも“絶対音感”いう言葉だけが、独り歩きしている感が否めないが、ざっくり説明するなら、“絶対音感”は、基準音を必要としない音感で、“相対音感”は基準音を必要とする音感のこと。

 

平たく言えば、聴音の時、いきなりメロディーを弾き始めて全部とれるのが絶対音感で、「これがドの音だよ」と言いつつ基準音(この場合「ド」)を聴かせてから、メロディーを聞けばほぼとれる、というのが相対音感と思っておけば大体大丈夫です。

 

日本ではやたらにもてはやされている“絶対音感”だけれど、実はその“絶対”という言葉に反して、絶対に必要な音感というわけではありません。現に、音楽家の2%しかいないというデータもあるぐらいなのです。

 

つまり、音楽をやるにあたって是非とも必要なのはむしろ相対音感の方だということです。

 

絶対音感の場合、精度が高すぎるのは時に不便なこともある(生活音までもが「ドレミ…」と変換されてうるさい等)ぐらいですが、相対音感に関しては、精密であればあるほど良い。

 

ただ、ひとつだけ有利な点を挙げるとしたら、絶対音感は一定の年齢を越せば、生涯消えることはない、という点です。

 

相対音感は、使わなくなると低下します。

 

詳しくは、下記に紹介する書籍をご覧ください。

 

音感教育に関して、とても分かりやすく実践的にまとめられています。

 

音感教育関係の書籍紹介

絶対音感を教えるなら、まず初めに押さえておきたい3冊。

様々なデータから、実践方法、Q&Aまで、絶対音感を教えるための必要十分な知識が分かりやすくまとめられています。


こちらは相対音感の育て方。

虹の丘ピアノ教室で使っているスケールの覚え方は、この本をヒントに作りました。

移調奏が得意になる本。


“ 大体音感 ” のススメ

「基準音を必要としない音感」この一点だけを絶対音感の基準とすると、私の音感は絶対音感ということになります。しかし、あらゆる生活音までもがすべて音名で聞こえてくるのが絶対音感だとすると、私の音感は絶対音感ではない、ということになります。

 

私はこの自分自身の音感を第三の音感“大体音感”と呼んでいますが、実は非常に実用向きで使い勝手が良いので、生徒にも、生徒のお家の方にもおススメしています。

 

私が、生徒たちに育てたいと思っているこの、“大体音感”の特徴は、まとめると以下のようになります。

 

  • ピアノの単旋律や、簡単な和音は、基準音無しでほぼ100%とれる。
  • 生活音は、よほど意識しない限り音名に聞こえることはなく、意識しても音名に聞こえるのは一部の「響きのある音(ガラスを叩いた音等)」のみである。
  • 電子音、合成音は、体調によって短二度ぐらいずれて聞こえてくることがある。
  • 同様に、ピアノ以外の楽器は、たまに外す
  • 絶対音感の精度より、相対音感の方が精度が高い

 

音大受験等の聴音では、基準音が与えられる場合が多いですが、絶対音感も持っておいて損はありません。その場合、聴音に使われる楽器はほぼ100%ピアノか、ピアノ系の電子楽器です。

 

よって、ピアノの音さえとれればOK。

 

生活音などは、感知できない方がストレスが無くて良いと思いますし、電子音やピアノ以外の楽器の音取りをする時はたいてい家で楽譜を作るなどの場面なので、基準音として、書店で販売している子ども用のピアノのおもちゃが一つあれば十分用をなします。

 

総じて、大変便利なのです。

 

そんな大体音感を、虹の丘ピアノ教室では以下のような方法で育てています。

 

絶対音感のトレーニングより、遥かに楽で簡単で、忍耐も根性も要しません☆

 

その点もおススメです☆

 

虹の丘流・大体音感プログラム

 注1※ 以下を読む前に、上でご紹介した書籍を読まれる事を強くお勧めします!!

 

 注2※ 「音名唱」と書かれている箇所は全て「固定ド」での音名唱を指すものとします。

 

 注3※ 「固定ド」での音名唱の際は、黒鍵のみドイツ音名「Cis・Dis・Fis・Gis・B」と読ませる。

     その際、おうちの方には、絶対音感を身に着けるための便宜上の読み方であることを説明する。

     伊独混合の変則的なこの読み方は、江口氏推奨の絶対音感プログラムの変形

     江口氏は「レ#」を「ミb」のドイツ音名「エス」と読ませて覚えされるが、

     旋律を音名唱する際にこれを採用したら歌いづらかったため、

     虹の丘ピアノ教室のレッスンでは「レ#」のドイツ音名「disディス」を採用している。

 

 

1.全ての課題曲を、とにかく音名唱させる

 

2.導入期は、1に加えて、音名唱だけをする課題を与える

 

  その際、新曲は楽譜無しで、初めは1小節または数拍を目途に、次第に長く、

  講師の音名唱を“やまびこ”のように真似させるのを繰り返して覚えさせる。

 

3.重音や和音も、「ドミ」「ドミソ」等と、下から音名唱させる

 

4.黒鍵を強化したい時は、「ねこふんじゃった」を音名唱させる

 

5.音名唱をいやがる子どもには、レッスン中は講師が子どもの演奏に合わせて

  音名唱し、おうちの練習では、おうちの方に音名唱していただく。

 

6.聴音で、絶対音感と相対音感、どちらに傾いているか確認する。

 

7.黒鍵、白鍵共に、絶対音感(ピアノに対してのみ)が固まってきたら

  「全長調スケール&カデンツ」を音名唱させる

 

 

これだけで、ほとんどの子に“大体音感”がつきます。

 

実際のレッスンで、どのように取り組んでいくのか、具体的に知りたい方は、「ピアノ講師のための導入期ピアノ指導法講座」で詳しくご説明いたします。

 

6.の“絶対音感と相対音感どちらに傾いているか”は、上記でご紹介した書籍を読まれると判断できるようになります。もちろん、「ピアノ講師のための導入期ピアノ指導法講座」でも、ご説明いたします。