これって発達障害? ― ピアノ講師だからできること ―

最近、“発達障害”という言葉だけは広まってきましたが、果たして何がどこまでが発達障害で、どこからは個性なのか、“障害”という言葉が逆に障害になり、適切な援助から遠ざかってしまったり、逆に、安易に薬を飲まされたりと、当事者たちでさえ、様々な混乱があるようです。

 

 ピアノ教室をやっていると、集中の仕方に特徴のある子どもや、楽譜の学習が難しい子ども、極端に体の使い方が不器用な子ども等、様々な生徒に出会います。「この先生の教室だっただから、うちの子は弾けるようになった」と、言ってもらえる教室でありたいものです。

 

 

 また、そういった一部の子ども達だけではなく、全ての子ども(もちろん大人も)が、(同じ人はいないという意味で)どこかちょっとぐらい偏っている部分があるもの、という考えで、発達障害の分野を改めてみてみると、「普通」と呼ばれている子どもにも、発達障害とはいえないまでも、部分的に似た傾向が分かれば、レッスンがぐっとやりやすくなり、その子その子の伸ばし方も見えてきます。

 

そういう意味で、あらゆる分野の指導をされる方は、発達障害の分野について知っておくことが、大きな助けになると思います。

 

発達障害のタイプの違いは、文化の違いと似ています。自閉圏には自閉圏文化特有の“匂い”、AD/HDにはその独自の文化圏の“匂い”があります。まずは、それを感じ取れるようになることが、指導の第一のポイントになってくると思います。

 

では、第二のポイントはどこかというと、“発達援助”の視点を持つことだと思います。

 

発達障碍者(児)は、発達します。

 

近年、「原始反射」等の研究により、よりそれが具体的に分かってきました。

 

そしてもう一つ、発達障害とまでは言えないまでも、なんとなく動きがぎこちなかったり、姿勢の保持が苦手だったりといった、“苦手”のある全ての人にとって、それらの研究が役に立つことが分かってきました。

 

簡単に言えば、

 

発達援助について学ぶことで、

全ての人のピアノの上達に、良い影響が期待できる

 

ということです。

 

発達援助の多くは、ごくごく、簡単で些細な事です。

 

その些細な援助で得られる効果は、非常に大きいです。

 

学ばない理由がない、と私は思います。

 

発達障害を発見する -気づきのチャンスはこんなにある!-

ピアノの演奏に必要な要素を全て育てていこうとしますと、発達の抜けや遅れに気づくチャンスで溢れています。生徒さんの中に、こんなお子さんはいらっしゃいませんか?

 

・挨拶の際に目線が合わない

・正しいフォームで演奏できていない

・姿勢の保持が難しい

・初見演奏が苦手、あるいは楽譜が全く読めない

・落ち着いてレッスンを受けるのが難しい

・年齢に比して講師の説明に対する理解力が低い

・“右手だけブレス” “左手だけスタッカート”等、左右別々の表現が難しい

・ペダリングが極端に不器用

・手指を始め、身体の様々な場所または、全身が、緊張状態にある

・音域移動の際の、体重移動が難しい

・楽譜を見ると、手が止まる

・「疲れた」「無理」を連発する

・暗譜が極端に苦手

・大きい音が極端に苦手

 

これらすべてが、発達凸凹が根底にあるとは限りませんが、気づきのきっかけにはなります。

そして発達の凸凹に起因していた場合、その知識があると無いとで、子ども達の上達には大きな差が出ます。

 

完璧なバランスの発達を辿る人というのは、そもそも存在しません。発達援助を学ぶ事は、全ての子どもに、有効だと思います。

 

発達障害関連書籍紹介

発達障害のある子どもへのピアノレッスンに特化した内容です。非常に具体的に書かれていますので、実際のレッスンですぐに使えます。ただ、最初は、発達障害そのものを全体的に扱った書籍を一通り読まれてからこの本に入ることをお勧めします。その方が何倍も理解が深まると思います。
“すごい本が出た”それが、この本を読んだ最初の感想でした。この出版社は、一貫して「発達障害者(児)は発達する」という信念に基づいた書籍を出しており、非常に実際的で役に立つ知識がぎゅっとつまっています。発達援助を扱った書籍として決定版と言って良いと思います。様々な発達障害関連書籍を読む前と、一通りの知識を得た後にも、もう一度読んでいただきたいと思います。

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