導入期のピアノ教本紹介

オリジナル曲系の導入教本

譜読みの基本として押さえておきたい、オリジナル曲のみ、またはオリジナル曲中心の教本。

どれも、中央ド(大譜表)から始まり、徐々に音域が高低に広がっていきます。

トプソンの「小さな手のためのピアノ教本」は、ピアノ脱力法メソッド開発者の大嶋聡子氏推薦の教本で、鍵盤のイラストが入っている点や、子どもの手の発達を良く考えて作られている等、非常によくできた教本だと思います。難点は、見た目が地味な事ぐらいでしょうか☆
カラフルなイラストが今風で可愛いらしい「ピアノランド」は、全部で5巻まであるシリーズで、4~6歳程度で始める子にぴったりです。虹の丘音楽企画のメイン教材の1つとして欠かせません。その最大の特徴は、曲の素敵さもさることながら、8分の6拍子が導入段階で取り上げられている事。4分の~だけに慣れていて、ブルグミュラーで初めて8分の6拍子に出会った、などとなると、子どもは大変とまどってしまう。その点、このシリーズで8分の6拍子に早くから慣れておくというメリットは非常に大きい。 ただし、1巻が非常に丁寧に一音ずつ音域を広げていっているのに対して、3巻になると突然曲が難しくなる。樹原氏独特の大変素敵なアレンジで、それだけに、特にリズムがどんどん難しくなっていく。ここでつまづかないためには、2巻までの間に、しっかりリズム打ちをメトロノームに合わせて徹底しておく必要があります。
「ぴあのどりーむ」は、中央ドから大譜表で上下に音域を広げる教材として、草分け的な存在とあって、さすがに丁寧な作り。イラストも大変美しい。(が、子どもによっては好みでない場合も(笑)) 進度も割合一定な感じなので、虹の丘音楽企画の教室では、初見演奏用に大変重宝している。もちろん、メイン教材としても使いやすい作りになっています。
また、レパートリーも併用して使うことで、同じ難易度の曲を数多く経験させられるメリットがあります。飽きっぽく、すぐに新しい曲を弾きたがるタイプの子に良いかもしれません。

“知っている曲” が たくさんラインナップされているシリーズ

オリジナル曲だけの教材は、確かな読譜力を養うのに欠かせませんが、そればかりでは楽しくないお子さんも当然いるわけで、耳なじみの良い曲で構成されている教本は、ぜひ知っておきたいところです。

 「ピアノひけるよ!」シリーズは、虹の丘音楽企画でメイン教材の1つに採用しています。

4歳~小学2年生ぐらいで始める子の導入期に幅広く使える教材です。耳なじみの良い曲ばかりなので、オリジナル曲のみの教材だとモチベーションの維持が難しい子におすすめ。

1は中央ド付近の両手交互奏のみです。       


2の途中から、両手奏が出てきます。この頃までに、低いド~高いドまでの3オクターブに慣れておくと、両手奏(右手:中央ド~ソ 左手:低いド~ソ)の音域に戸惑わないで移行していけると思います。

 


併用ワークブックもあります。後で紹介しますともだちのーとに比べて、筆記する量が少ないので、面倒くさがりさんも頑張れます。また、沢山演習させたい場合、さらにワークブックもんだいしゅうも出ているので、一人一人に合わせた柔軟な対応ができるのもポイント。また左右別々のリズムのワークがあり、メトロノームに合わせてやると、リズムを読む力がしっかりつきます。


「うたえる!ひける!ピアノ曲集」は、同じ難易度の編曲が数多く収録されており、同じ難易度で曲数を沢山経験させたい場合の併用におすすめ。こちらの1巻は、「ぴあのひけるよ!」シリーズ2の途中か、終えたぐらいの難易度で、2巻は、「ピアノひけるよ!」シリーズ3巻と併用程度か、若干簡単か。アニメ篇もあり、やはり男の子に(もちろん女の子にも)大変人気です。

       


赤太字「うたえる!ひける!ピアノ曲集<せんせいといっしょ>」は、「ピアノひけるよ!」と同じ著者なので、ラインナップが似ている上、同じ曲が違う調性で収録されているので、併用はお勧めしません。上記の「うたえる!ひける!ピアノ曲集」の前段階の「曲集」の位置づけで、オリジナル曲の教材の併用曲集として使う形がいいと思います。やはり歌のある曲は、音名で歌わせても歌いやすいので、この曲集で音名唱をたくさんして音感を養うという使い方も良いと思います。同じ難易度の曲が数多く収録されているのは、上記の3冊と同じですが、<せんせいといっしょ>は、簡易伴奏がついているので、お家の方とも連弾できるところがとてもいいと思います。

「ひいてうたって」シリーズは、少し大きい子向けで、小学校1~2年生で始める子にちょうどいいと思います。進度が早めで、3巻にはそこそこの難易度になっているので、他の教材と併用してゆっくり取り組むか、難しい曲に早くチャレンジしたい子に合っています。

 


3歳から始められる教本

3歳から自分で楽譜を読んで始められる「うたとピアノの絵本」シリーズは、全てオリジナル曲のみの教本です。とても温かい雰囲気のイラストが幼児に安心感を与え、手書き風の大きな符頭もちびっ子に嬉しいポイントです。

小さい子が混乱しないよう、初めは右手編と左手編に分かれているのも、ちびっ子には、分かりやすいです。

3巻の両手編では両手交互奏となっており、ぴあのどりーむの1と同程度の難易度となっていますが、うたとピアノの絵本の方が、符頭が大きいため、ちびっ子には見やすいと思います。 4歳の子なら、1巻と2巻は併用しても大丈夫。虹の丘音楽企画の教室では、3巻を5歳前後で始める子の初見演奏用の教材として使っています。

「うたってひくピアノ」シリーズは、“知ってる曲系”>の中でおそらく唯一の3歳で始める子にちょうどいい教本です。もう少し大きい子でも、2巻であれば、「ピアノひけるよ!じゅにあ」シリーズの1巻と2巻の間に差し挟むとちょうどいい感じです。


オリジナル曲系「ぴあのどりーむ幼児版」は、3歳から使える教本として希少な、併用ワークブックがある教本です。ワークブックと併用するだけでリズムを丁寧にさらっていけるところが、大変魅力的な教材です。また本編は1冊まるごと中央ドを中心とした3音に費やしており、3歳でも十分取り組めるように工夫されています。

 


おすすめワークブック


各シリーズの併用ワークブックは、やはり併用するのが基本的には分かりやすいと思いますが、あえてこれだけ、と選ぶとすればこの、「ともだちのーと」シリーズ。 特に、3歳前後で始める子どもには、0巻の存在はありがたいです。1巻は、4歳ごろから始められます。 非常にたくさんの楽譜を書くワークです。

以前は、全8冊のシリーズでしたが、最近、1巻につき、それぞれ1-1、1-2など、分冊されて、かなりな冊数になっているので、長期にわたってじっくり取り組めます。